2022年09月30日

「死刑は正しかったか」Ⅲ

 先日、NNNドキュメント「死刑は正しかったか」Ⅲという番組をみた。
1992年に起きた、小学生2名殺人事件で、福岡県の飯塚で起こったので、「飯塚事件」と言われている。
死刑になったのは、久間氏。
「死刑は正しかったか」Ⅲ
状況証拠だけで、彼の車から見つかった血痕のDNA鑑定が証拠となった。
久間氏は最初から最後まで、一貫して無罪を主張。
地裁、高裁、最高裁と負け2006年に死刑が確定。

ところが、もう1つ冤罪事件で「足利事件」というのがあった。犯人とされたのは、菅家氏。
足利事件では、当時の科警研のDNA鑑定は未熟で、再鑑定され一致せず菅家氏は無罪となる。
2008年10月16日に菅家氏の再鑑定が決定。
2008年10月28日に久間氏の死刑執行。
2009年4月20日に菅家氏のDNAと一致しないことが判明。

この2つの事件のDNA鑑定をしたのは、科警研の同じ技官だったそうである。

飯塚事件では、血液を使ってしまいDNAの再鑑定ができず、結局フィルムで解析すると、全く別人のDNAが出て来た。証拠ねつ造である。

弁護団や久間氏の奥さんが、再審請求をしたが、棄却された。
再審で無罪となると、国の責任が問われるからだ、と弁護士が言っていた。

私は、今までややこしい事件は、法務大臣が印を押さないと思っていたが、そうではなかった。印を押したのは、森英介法務大臣。結審からわずか2年という異例のスピードだった。奥さんが、死刑に関する公文書を請求したが、全て黒く塗りつぶされていた。

私は、飯塚事件はおそらく冤罪だと思っている。
昔の事件は、見込み捜査によって、冤罪に問われた人がたくさんいる。
「疑わしきは被告人の利益に」という言葉は死語になった。

日曜日は、粉河チャペルへどうぞ。



Posted by ちゃーちゃん at 19:18│Comments(4)
この記事へのコメント
非常に興味深く読ませていただきました。

死刑は完全否定をしない派ですが
こういった冤罪になる可能性を含む事件に関しては
もっと慎重であるべきかと思いました。

なぜそんなに急いだのか
責任問題があったとしても
人の命に関わることなのに。

疑わしきは罰せずというのが
法の精神だと思っていました。
特定の人の天秤は傾いたままなんですね。
Posted by とのちとのち at 2022年09月30日 21:31
とのちさん、いつもありがとうございます。
私もこれを書いた後、いろいろウイキペディアとかを読んでみました。
細部にわたって、ややこしいことがあるみたいです。勿論、テレビは無罪だろうと主張したつくりになっていました。
過去に、いくつも無罪判決を勝ち取った例がでてきたら、当時の捜査は信用できないとなってきます。日本は、起訴されたら99%以上有罪になると聞きました。知らんけど。民主主義世界では、世界一高い有罪率かもしれません。

なぜ、そこまで死刑を急いだのか。他の死刑囚に比べて、各段に早いです。
「疑わしきは罰せず」という基本のルールに立ち返ってもらいたいです。
Posted by ちゃーちゃんちゃーちゃん at 2022年10月01日 07:01
ヒ素カレーの林マスミさん事件も 再審が妥当でないかと いう意見があります。たしかに 林ご夫婦の生活は ハチャメチャであったけれど、地元では「マスミさんが身内の身代わりになったのでないか」という話しも 聞きました。 林さんの長女さんと孫さんは 悲劇的な最期をとげられました。長男さんはナンギして 生きてこられました。次女さんは どうして おられるのでしょう。三人のお子さんは二つの児童養護施設に わけて 入れられました。当時の施設は 今より はるかに酷かった。
Posted by 伝兵衛伝兵衛 at 2022年10月01日 18:08
伝兵衛さん、いつもありがとうございます。
ヒ素カレー事件も、状況証拠だけですね。まあ、生活をみればハチャメチャだったということはわかります。「マスミさんが、身内の身代わりになったのかも」ということは、初めて聞きました。
 長女さんや孫さんは、可哀そうだったですね。長男さんも、カミングアウトしてテレビに出ていましたが、苦労されているようでした。
 ヒ素カレー事件も冤罪の可能性が捨てきれないので、法務大臣が印を押さないのかもしれませんね。もう何十年経つのでしょうか。
Posted by ちゃーちゃんちゃーちゃん at 2022年10月02日 06:06
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